夜久野高原と田倉山火山

福知山市の西端、兵庫県との県境に青々しく木々の茂る小さな山があります。この山が田倉山(標高349.7m)と呼ばれる京都府唯一の火山です。山はきれいな円錐形をしていることから宝山ともいわれ、直径約1km、標高差約140mの山容を望むことができます。また頂上には火口跡と思われる窪みが残り、今に噴火の面影を伝えています。

田倉山のある夜久野高原は、火山噴火の際、流れ出た溶岩が冷え固まって出来上がった溶岩台地であって、玄武岩が基岩となっています。なだらかな高原上は夜久野ヶ原とも呼ばれ果樹園や畑地、植林地として利用されています。一説によると「夜久野」の地名は「焼け野」からの変化とも言われています。真っ黒な表土と、真っ赤な火山性の土層はまさに「焼け野が原」のイメージを伝えるものです。

さて、夜久野高原での火山活動は少なくとも3回以上の大噴火があり、それぞれの噴火によって流れ出した溶岩に名前が付けられています。古い方から順に、小倉(おぐら)溶岩、衣摺(きぬずり)溶岩、田倉山(たくらやま)溶岩で、これらの大噴火は今から約38〜30数万年前に起こったであろうと推定されており、最後の噴火で大量のスコリアを噴出してできた丘が田倉山と考えられています。

小倉玄武岩公園の柱状節理 広瀬橋付近に露頭している玄武岩
火山弾
夜久野農匠の里付近に露出する衣摺溶岩の割目噴火跡





(参考)
夜久野高原一帯の地層面に見える(手元のやや明るい土層)AT火山灰層(姶良・丹沢火山灰:現在の鹿児島県桜島を中心とする大火山)。

約2万5千年前の大噴火で大量に堆積した火山灰層は全国で確認されている。
低地、農耕地では流出や開発によってほとんど失われているが、高原地帯のように高燥で潅木地帯では比較的良く残る。

福知山地域で確認できる数少ない場所である。