4 牧正一(まきしょういち)古墳(市指定、史跡4)

 福知山市字牧小字中筋古墳1基 現在長35

 牧正一古墳は、福知山盆地の北端近く由良川と牧川の合流点から西北西に約1.5qにあり、背後の山塊から牧川の氾濫原に張り出した丘陵突端の一帯を眺望できる好位置に立地する。周辺には、弁財古墳.道勘山古墳群など横穴式石室を内部主体とする後期古墳群が点在し、古墳時代後期の拠点集落と目される石本遺跡などの遺跡が存在する。

 この古墳は、昭和10年に市道拡幅工事の際に石室が発見され、京都大学により調査がなされ、馬具や子持台付壺が出土し、本市を代表する後期古墳として広く存在が知られることとなった。その後、平成68年に、遺跡保存のため確認調査が実施されている。

 墳丘は、削平され旧状をとどめていないが全長35mの前方後円墳に復元され、一部で葺石が確認されている。

 内部主体は、前方部(2石室)と後円部(1石室)のそれぞれに横穴式石室が確認されていたが、くびれ部にも新たに石室が確認され、1墳丘3石室と言う特異な古墳であることが判明した。石室は、第1石室が両袖式で全長12(玄室幅3.0.玄室長5.0.残存高2.5)、第2石室は左方袖式で全長10m以上、第3石室は無袖式で全長7(玄室幅1.2)の規模を測る。特に第1石室は、周辺地域では類をみない巨大な石室である。

 墳丘は、本来5m程度の高さを有していたものと推定され、腰高で葺石の存在もあって、遠方からも視認されるものであったと思われる。

 由良川と牧川の合流点にあって、丹後.但馬.丹波を結ぶ交通の要所を押さえた首長の姿が浮かび上がるものである。以上のように、当古墳は由良川流域の古墳時代後期を代表する古墳であり、重要な遺跡である。

 なお、牧地区には牧文化財保存会があって民俗芸能の伝承や文化財の保存に取り組まれており、牧正一古墳も文化財に親しむ場として活用されている。